Nishika AI News Letter - Issue #79
技術的にはClaudeの提唱したModel Context Protocol(MCP)が大変話題となっていますが、アプリ的には引き続きAIクローンが気になっています。
AIクローンについて、実は我々も簡単なR&Dをしましたが、個人のクローンと言えるほどにAIを育てるには膨大なデータが必要だという印象で、松下幸之助クローンの話を見てもやはりそうでした。一方で個人ではなく特定職種のクローンであればそこまでのデータは必要ではなく、GPT-4oと2時間対話することでデータを収集した、という経済的な手法が注目されます。
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Application
“実在する人間”の考えをクローンした自律AIを1000体以上生成。高い精度で世論調査や社会の反応予測など活用へ(生成AIクローズアップ)
実在する人の考えを再現したAIクローンについての研究。GPT-4oと2時間対話させて学習データを得るという、とても経済的な手法が興味深い。
新製品やサービスについての意見聴取や、特定ペルソナに対する事前の対話のシミュレートなどに使えて、ビジネス的にもかなり注目の領域です。
さらにその先には、個人(特にCXOなど)のクローンが注目(以下事例)。
松下幸之助氏をAI再現 パナソニックHDなど “本人の思考”で回答
偉人のAIクローン。
「3400万文字分のテキストデータと48時間分の音声データ」
の規模でデータセットを用意するのが肝要かつ厳しい条件で、誰のクローンでも作れると言う状況ではない。
NVIDIAも焦点当てる「エージェントAI」 すでに「前例ない」レベルで利益を生み出すほどの影響力
特定の顧客が保険金を請求する可能性が高い時期や状況を特定し、そうした顧客を拒否したり、特定のタイミングで解約を促したり、価格設定や契約条件を調整したりする
これ自体は生成AI以前から機械学習によってできていたこと。
個人的には、AIエージェントが実益を産むものなのか流行レベルのものなのかちょっと判別がついていませんが、
「AIエージェント」のバズワードの名の元に、RPA+AIによって大胆な業務効率化を実現する
流れができつつあることは、とても良い流れと思います。
工数6割削減! 生成AIとOCRを組み合わせ、店舗毎に形式が異なるレストランメニューを読み取らせてみた
食べログにおける飲食店のメニュー情報のテキスト化について、生成AIとOCRを組み合わせて実現。メニュー画像があまりに多岐にわたるため、生成AIだけでは精度100%に満たず、生成AIの出力結果を人が確認できるように支援するために、元画像の該当箇所との紐付けをOCRで行ったというもの。
AIの精度100%を担保するための人間の作業をAIで支援するという事例。そのくらいAIはうまくやってくれんじゃないの?と言われてしまいそうですが、入力に様々なパターンがあり、かつ精度100%を求められてしまうと厳しいのが現状です。
マイクロソフト「Copilot+PC」の本命機能を試した。「行動履歴記録」を調べるAIの実用性
PC上での操作履歴を画像レベルで終えるリコール機能。
「この間読んだはずのあの資料」を探し出す用途は確かに便利そう。
一方で画像の認識には限界がありそう、かつスクリーンショットの頻度は一定間隔であるとのこと。
いきなり圧倒的な画像認識モデルを開発し搭載したわけではないので、オンデバイスで処理する、かつ普段のCPU作業に影響を与えないことを考えると重い負荷は与えられません。
あくまで、テキスト情報に関する行動履歴を追える機能として理解するのが良さそうです。
さくらインターネット、生成AI向けプラットフォームを開発へ 「データ通信と保管、国内で完結」 NECと連携
国内企業が提供する基盤上で動く、国内企業が提供するLLM。
元々一定ニーズがあるところで、国際情勢も相まってニーズが増している気はします。後は大分改善されてきましたが、国内で閉じると言ったとき、肝心のLLMの性能が使えないレベルに劣化してしまうようではいけません。
Technology
Anthropic社のClaude発!AIアシスタントが「何でも繋がる」時代へ。新技術MCPが切り開く可能性
生成AIを業務で使っていて、「最新の経営数値など自社データについて把握していて欲しい」「Slackのやりとりも見て回答して欲しい」などと思うことは誰しも一度はあるのではないでしょうか。
生成AIは公知の情報については驚くほど隅々まで知っていて、当然のように回答してくることに驚かされますが、逆にクローズドな社内情報と接続させるのはそれなりに開発の手間がある、という期待値の落差があります。
Anthropicが提唱したModel Context Protocol(MCP)は、生成AIと各種ツールを接続するための「規格」です。
生成AIとツールを接続するために個別「変換プラグ」を開発しているのが現状ですが、規格を定め「USB Type-C」を共通で利用することで、安全かつ簡易に生成AIとツールを接続し、生成AIの知識範囲が急速に拡大することを狙っています。
GPTのGPTsやClaudeのArtifactsに続き、LLM事業者による囲い込み・ユーザーロックインを狙う動きが続いています。どちらかと言えばClaudeの方がエンジニアを向いた囲い込み施策が多い印象です。
一方で、ビジネス的にインパクトがある動きかどうかは未知数だとも思います。OSやスマホに標準搭載されるとか、そういったビジネス的にインパクトのあるロックインをどこが実現するのかがより気になります。
数十億パラメータの巨大AI、“たった1つのパラメータ”を削除するだけで完全崩壊。Appleなどが研究報告(生成AIクローズアップ)
不要なパラメータを削除(プルーニング)する手法は知られていたが、逆に重要なパラメータを特定する研究。
Editor Picks
「公益」揺らぐ米オープンAI 幹部流出、利益優先に批判―「チャットGPT」公開2年
「公益」の追求を目的とした組織運営はとても難しいと思います。少なくとも自分にはできる気がしません。。何を「公益」とみなすかが各人によってバラバラだからです。ここまで影響力が大きく大規模な組織であると、尚のこと運営は難しいように思います。であれば、「利益」の追求を目的とした方が、空中分解することを避けられ、現状はベターな選択肢のように思います。