Nishika AI News Letter - Issue #42
OpenAI CEOが語った今後のロードマップで、待望されるマルチモダリティ(テキスト+画像などを処理)はまだ少し先と言われていたり、一方で日本ではrinna、海外ではFalconなどオープンソースのLLMの性能も徐々に高まってきていると言う状況で、技術的には1段階目の踊り場に来ており、如何にLLMを活用するかのユースケースにより強く焦点が当たる段階となっている感覚です。
また、LLMに気を取られていると見過ごしがちですが、Googleの発表したテキスト画像生成AIのStyleDropは普通に実用デザインで使えそうで、画像や音声AIの発展も引き続き注視していきたいところです。
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AI News Letterでは各社の提供する最先端AIをご紹介し続けていますが、News Letter中でも何度か取り上げている、音声認識AI OpenAI Whisperを搭載したソフトウェア “SecureMemo” をリリースいたしました!
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Application
OpenAI's plans according to Sam Altman
OpenAI CEOが語った短期ロードマップ。直近2023年は、APIの低価格化、より長いコンテキスト(入力・出力文字列)、ファインチューニング、ステートフルAPI(会話履歴を覚えている)に取り組むとのこと。マルチモダリティ(テキスト+画像など)は直近のリリースは難しそう。
StyleDrop: Text-To-Image Generation in Any Style
Googleが1つの参照画像のスタイルを汲み取った上で、テキストから画像生成できる「StyleDrop」を発表。カラフルなお絵かきを参照画像にし、「A baby penguin in [V] style」とテキストを入力すると、カラフルなお絵かき風の赤ちゃんペンギンの画像が生成される。Googleが今年初めに発表したテキスト画像生成AIモデル Muse を搭載。
明らかに実用性がありそうで、論文発表段階ですが「Application」の1つとして紹介。
【ChatGPT】生産性が10倍上がるおすすめのプラグインとその使い方を徹底解説
ChatGPTを通じて食べログ検索ができることなどで話題となっている、ChatGPT Pluginについて多くの記事が出ていますが、その中で1記事pick。具体的な使用シーンのキャプチャも載っていてわかりやすい。
マインドマップ等の図表を作成してくれるShow Me、PDFから情報を抽出してくれるAskYourPDF、ChatGPTが良い返答を返してくれるようにプロンプトを改善してくれるPrompt Perfect、あたりは私も使っています。
Technology
rinna、ChatGPTと同手法の「人間の評価を利用したGPT言語モデルの強化学習」に成功 日本語に特化した言語モデルを公開
rinnaがローカル環境で動かせる日本語大規模言語モデルとしては初めて、人間のフィードバックを受けた強化学習を行ったものを発表。かなり自然な会話らしい返答ができる。セキュリティ面に配慮したい環境でLLMを動かしたいユーザーは注目。
オープンソースで商用利用可能な大規模言語モデル「Falcon」が登場、オープンソースモデルの中では最高の性能に
アラブ首長国連邦の首都アブダビに拠点を置く研究機関「Technology Innovation Institute」がオープンソースの大規模言語モデル「Falcon」をリリース。オープンソースな大規模言語モデル同士でスコアを競う「Open LLM Leaderboard」で、Falconの40Bモデルはllama系のモデルを抜いて1位に。
手元で試している感じでも、GPT3.5くらいの性能はありそうに感じる。日本語は基本的に非対応。
Editor Picks
ChatGPT: US lawyer admits using AI for case research
ChatGPTを使って判例情報を収集したが、実在しない判例であり問題となった。ChatGPTに「この判例は実在する?」と聞いて「実在する」と回答されていたとのこと。事実の確認に(Webブラウジングをしない)ChatGPTは使ってはいけない、という御法度をやってしまった例。ChatGPTにはあくまで情報はこちらから与え、それをよしなに編集するのが得意。