Nishika AI News Letter - Issue #37
AlphaGOが出てから人の打つ碁のクオリティが加速度的に進化しつつあるという報告が最も興味深いものでした。過去60年横ばいだった打ち筋の質が2016年以降急速に向上、しかもAIの打ち筋を単に覚えたのではなく、人が生み出した新しい打ち筋が増えているとのことです。
何が興味深いかと言えば「全く同じ現象がChatGPT登場により多方面で起こり得る」点です。AIの進化に伴って人類も進化する時代に突入したことにとてもワクワクしますね。
Promotion
AI News Letterでは各社の提供する最先端AIをご紹介し続けていますが、News Letter中でも何度か取り上げている、音声認識AI OpenAI Whisperを搭載したソフトウェア “SecureMemo” をリリースいたしました!
Whisperを搭載・チューニングし、名実ともに世界最高水準の精度を示しながら、オンプレミス・オフライン環境で利用可能でありセキュアな用途に有用な点が特徴です。
ChatGPTの回答は必ずしも正確というわけではなく、ときには誤った情報を出力する場合があり、それらの判断は受け手である我々の責任です。そこで、今回はChatGPTの誤った返答を収集し、限界を探るという取り組みを「アイデアコンペ」という形で開催させていただくこととしました。
ChatGPTがどのような間違いをしてしまうのかに関する知見を集め、「用法を守って使う」ための啓蒙につなげることが本アイデアコンペ開催の意図です。
既に様々な発見が投稿されていますので、ぜひご覧ください!
Application
最近の技術の進化スピードからすると既に遠い昔の話な気もしますが笑、GPT-4が発表されました。GPT-3.5と比べ精度が明らかに向上したほか、最大token数が約2000から32000に増加。約25000字を入出力できるので、長い文章を読ませたり生成させることもできるように。さらに、画像を入力とできるようにもなる見込みとのこと。
ChatGPTの精度を上げる、あらゆる質問の最後に置く「命令」
優秀な壁打ち相手を作る、「チャットAI力」の高め方
ChatGPTはとても強力だが、初めて触った人の中には「なんだそんなに賢くないじゃないか」と思われた人もいるはず。
その原因の1つは実は質問の仕方にあり、今のChatGPTは雑に質問を投げたら回答してくれるわけではなく、丁寧に聞きたいことや前提条件、回答例を提示することで非常に役立つ回答を与えてくれる。
ではどんな風に質問したら良いのか?の汎用テンプレートを示してくれている記事。
ChatGPTがプラグイン対応、ウェブサービスや外部アプリ連携で有用性が大幅向上
ChatGPTは元の状態ではOpenAIによる学習済みの状態のまま使うしかなく、外部データや現在稼働中のWebサービスと連携するにはサードパーティのライブラリを使った追加開発が必要でしたが、OpenAIが公式に純正プラグインを提供したとのこと。プラットフォームとしてどんどん存在感を増しています。
Prog.ai wants to help recruiters find technical talent by inferring skills from GitHub code
GitHubのプロジェクト、LinkedInの履歴書、StackOverflowの記事から採用候補者を評価し、特定の分野に長けたエンジニアを発見する。GPTも活用しているようで、著名なOSSプロジェクトやStackOverflowの記事から言語モデルを調整し、コードの品質に関するスコアの算出を行っているとのこと。
UbisoftのNPCセリフAI生成ツール「Ghostwriter」発表。“その他大勢”のセリフ作成をAIに任せる時短ツール
ゲーム内NPCのセリフをAIによって生成し、開発者の時短を実現。
話は変わりますが、お客様との間で「ChatGPTはWebアンケートのダミー選択肢を列挙させるのに便利」という話をしました。正確性は重要ではないが大量に何かを生成する必要がある、という業務はAIにより相当に効率化されていきます。
Technology
Superhuman artificial intelligence can improve human decision-making by increasing novelty
AlphaGOが出てから人の打つ碁のクオリティが加速度的に進化しつつあるという報告。過去60年横ばいだった打ち筋の質が2016年以降急速に向上。しかもAIの打ち筋を単に覚えたのではなく、人が生み出した新しい打ち筋が増えている。
この現象は碁に限らず発生するはず!AIを活用して「巨人の肩に乗る」ことができた人、企業が生き残っていく世の中となりそうです。
Assessing the Capabilities of ChatGPT to Improve Additive Manufacturing Troubleshooting
ChatGPTが3Dプリンターのコード(Gcode)生成プロセスを最適化。特定のポリマー材料、プリンター、オブジェクトに対して最適化されたGcodeを生成できるほか、印刷温度、印刷速度、ベッド温度、ファン速度、ワイプ距離、押し出し倍率、層厚、材料フローなどの様々な印刷パラメータに基づいてGcodeを解析し最適化できる、実験では本来3週間かかるタスクを1時間で完了。
Editor Picks
「GPT先輩やけどどうした?」 アレクサでChatGPTと音声チャットするシステムが可能性の塊
AlexaをChatGPT APIと接続し、ChatGPTと音声を通じて会話できるようにした例。このようなことが記事の通り誰でも簡単にできるようになっているのは間違いないとして、動画を見てみると実用上はレスポンスの遅さが気になる。
ただ、性能が一定の閾値を超えた途端に爆発的に使われるようになるのは我々もChatGPTで見たばかりなので、レスポンスについても一定の速度に達した途端に「ChatGPT内蔵ロボ」が爆発的に広がりそうな予感。