Nishika AI News Letter - Issue #22
Summary
「値引きしなくても売れる可能性が高い商品を値引きしてしまう、値引きをしすぎて商品が売り切れてしまう」は相当数発生している課題で、それに対してローソンがAIによる判断を介入させ利益増・廃棄減を達成したのは注目したいユースケースです。
非常に精度の高いOCRがコード・モデル・データセット付きで公開されたのも注目です。ただ、情報抽出タスクは精度が90%超であろうと少しの間違いで出力の価値が大きく下がってしまうのが難しいところです。(M)
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Application
脚の疾患を持つ人を支援する目的で作られた、着用者の脚の動きをデバイスNeural Sleeve。理想的な歩行・障害のある歩行の各々の筋肉の動きを学習した後、装着する患者の筋肉の動きに応じて歩行を支援する。
Deepfakeを使って映画のFワードの台詞をマイルドなものに変更し、口の動きもそれに合わせて変更。悪い使い方があるなら当然その逆もある。
ローソン、AIを活用した値引きを強化 人間の経験に頼らないオペレーションを目指す
「値引きしなくても売れる可能性が高い商品を値引きしてしまう、値引きをしすぎて商品が売り切れてしまう」は相当数発生しているし、その分学習データが溜まっているのでAIを適用するにはうってつけのケース。実証実験の結果、廃棄金額は約2.5%削減、粗利額は約0.6%増加。
オンライン上の行動で個人の信用力をAIが判断。従来の属性や信用情報から判断するのは分かるが、「友達は何人いて増減はあるか」がどの程度信用力の判断に寄与しているのか非常に気になる。
Technology
Donut 🍩 : Document Understanding Transformer
非常に精度の高いOCR(正解率95.3%と報告)。11Mの英語画像以外に、データが不足しがちな他言語については人工的に合成した中国語、日本語、韓国語等の画像を加えて事前学習した上で、レシート画像の読み取りなどの下流タスク向けにファインチューニングしている。
Editor Picks
The State of State AI Policy (2021-22 Legislative Session)
米国の州ごとのAI規制状況。州ごとに捜査での顔認識の使用可否や、採用でのAIツール使用時のバイアス報告義務などが異なる。米国でのAI事業展開は大変そう(一方でAI規制対応のコンサル産業は伸びそう)。
TIME TILL OPEN SOURCE ALTERNATIVE
ある商用ソフトウェアに対して、オープンソースの代替品が現れるまでの時間 (Time Till Open Source Alternative, TTOSA) を考察した記事。平均は約7年間で、著者は将来的にソフトウェアのみを売って金儲けをするのは不可能になるだろうと予測。